このヘリ、どうしちゃったの?
2010年10月11日
このヘリ、どうしちゃったの?
逆巻く砂塵にきらきら舞う天使の輪。
これは炎でも人工の光でも合成でもなく、SF映画のテレポートでもありません。
「コップス-エッチェルズ現象(Kopps-Etchells Effect)」と呼ばれる自然現象です。
どう起こるのか? 米陸軍Jeff Mellinger最先任上級曹長はこう説明してますよ。:
基本的には、異種の物質が互いにぶつかり合う摩擦で静電気が生まれて起こる現象です。ここではチタンとニッケルのブレードが空気や埃の中を動いて生まれてますね。地上でも同じ現象は起こりますが、普通、離着陸の時以外はここまではっきりとは見えません。一番よくわかるのは燃料補給の時です。大型タンカーに燃料を補給する時はヘリから静電気が流れて爆発を引き起こさぬよう、ヘリを着陸させておかないといけないんですよ。
もともとは名無しの権兵衛だったんですが、毎度ナイスな元米軍専属写真家マイケル・ヨン(Michael Yon)さんが、アフガニスタンのヘルマンド県で戦死したアメリカ人ベンジャミン・コップ(Benjamin Kopp)伍長とイギリス人ジョゼフ・エッチェルズ(Joseph Etchells)伍長の名を取って「コップス-エッチェルズ(Kopps-Etchells)現象」と名付けたんです。
エッチェルズさんが最後に残した願いは、自分の亡骸を焼き、子どものころ好きだった公園に花火にして打ち上げてくれ、というものでした。醜い戦争のただ中できらめく光を物語る言葉としてこれ以上ふさわしい名はないように思えます。
by ギズモード・ジャパン
自然現象の名前は酷い戦争の犠牲者からつけたというお話です。どんなりゆうであろうと戦争はいやですね。