よしながふみ「大奥」、米のSF賞「ティプトリー賞」に輝く
2010年03月20日
よしながふみ「大奥」が2009年度のジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞
(以下ティプトリー賞)を受賞した。
ティプトリー賞はジェンダーに対する理解を深めることに貢献した
SF・ファンタジー作品に与えられる賞。
ティプトリー賞の公式サイトによると、審査員は「疫病によって
日本の若い男性の4分の3が死亡し男女の立場が入れ替わった、
パラレルな封建社会の日本」という設定に惚れ込んだとのこと。
この設定を用いて、男女間の微妙なパワーバランスで成り立つ社会を
巧みに描き出した、と評価している。
「たったひとつの冴えたやり方」などの傑作SFで知られる
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアは、男性の筆名で活動し、
その骨太な作風から「もっとも男性らしいSF作家」と呼ばれていた。
しかしのちに女性であることが判明し、作者の性別と作風をめぐる論争、
通称「ティプトリー・ショック」が勃発。
米国の女性SF作家パット・マーフィーとカレン・ジョイ・ファウラーは
この事件にちなみ、ジェンダーにまつわる理解を深めた作品を
表彰する賞として、1991年にティプトリー賞を設立した。
「大奥」はメロディ(白泉社)にて連載中。
2009年に第13回手塚治虫文化賞を受賞した。
10月には実写映画が公開される。
by コミックナタリー
ジェンダーとは「社会的文化的な性のありよう」といわれています。
男性と女性のありようは、生物としての性別とは別に社会の中では
時代とともに変化するわけです。
「男のくせに」、「女なのに」なんていう言い方そのものが通用しない