人類初の宇宙ホテルが5年後に開業? 宇宙開発ビジネス最新事情

2010年10月30日



 人類初の宇宙
ホテルが5年後に開業? 宇宙
開発ビジネス最新事情



 ロシア企業が宇宙
ホテル計画を発表
 



 今年9月、ロシアの宇宙
開発企業エネルギア(Energia)が、民間人宇宙
旅行者のための史上初の「スペース・ホテル」建設計画を5、6年後の開業を目指して進めていることを明らかにしました。宇宙
ホテルの計画は他の民間企業も進めており、ライバルは多く、他企業では3泊4日で5億円という価格設定を発表しているところもあります。  



 これまで商業用宇宙
旅行は、スペース・アドベンチャーズ社が手がける軌道飛行と、ヴァージン・ギャラクティック社が手がける弾道飛行の2つが中心で、特に弾道飛行はライバル企業が多く、どこが最も早く実現できるかに注目が集まっていました。今回宇宙
ホテルが発表されたことで、商業用宇宙
旅行を巡る競争に、さらに宇宙
ホテルが加わることになりそうです。  



 宇宙
開発ビジネスは現在どのような段階にあり、今後どのように展開していくのか? 「YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)」は今回、商業用宇宙
旅行の最新事情に迫りました。





 宇宙
ホテルは最低30億円支払わないと利用できない  



 エネルギアの宇宙
ホテル計画は、露オービタル・テクノロジーズ(Orbital Technologies)社との共同プロジェクトで、2015年オープンが目標。最大収容人数は7名で、宿泊料など詳細は発表されていません。  



宇宙
ホテルは国際宇宙
ステーション(ISS)と同軌道に62マイル離れて置かれる予定で、宇宙
ホテルと国際宇宙
ステーションのクルーが行き来できるようになります。ホテルの利用客はロシアの宇宙
ソユーズ宇宙
ホテルに到達します。



 もし実現すればぜひ利用してみたい宇宙
ホテルですが、しかしこのホテルに宿泊するためには、まずオービタル宇宙
旅行(軌道飛行)に申し込めるだけの資産力が必要です。軌道飛行の価格は、1人約3500万ドル〜4500万ドル(約28億6000万円〜36億8000万円)。スペース・アドベンチャーズ社を利用し、昨年3月に宇宙
旅行に旅立ったハンガリーの富豪チャールズ・シモニー氏や、2012年に旅行予定の米グーグルの共同創業者セルゲイ・ブリン氏など、数百億円規模の資産がある富豪のみが実現できる旅行です。これまで、世界で7人ほどの富豪が利用しています。





 20万ドルで気軽に行ける宇宙
旅行は来年実現?
 



 さすがに数十億円の宇宙
旅行は手が出ない、そんな富裕層が注目しているのが、もう少し手軽な宇宙
旅行、サブオービタル宇宙
旅行(弾道飛行)です。スペースシップに乗って高度100キロへ到達し、音速の3〜4倍の速さで弾道飛行し、無重力状態を約5分間体験できるというプランで、価格は約20万ドル(約1700万円)。  



 昨年、日本初のサラリーマン宇宙
旅行者となる稲波紀明さんのインタビュー時に弾道飛行について取り上げましたが(「宇宙
旅行を予約してカリブ海へ招待された、32歳の素顔」)、現在の最新事情はどうなっているのでしょうか。  



 ヴァージン・ギャラクティック社と提携し、日本で民間宇宙
旅行販売を手がけるクラブツーリズム宇宙
旅行クラブ事務局長、浅川恵司さんによると、民間宇宙
旅行の弾道飛行はヴァージン・ギャラクティック社が最初になることは確実と予想され、運航開始は早くて来年後半ですが、場合によってはもっと遅くなる可能性もあるそうです。



 「ヴァージン・ギャラクティック社以外にも、弾道飛行の商業化に取り組むライバル会社は多くあります。しかし、最大のライバルと目されていた米ロケットプレーン・グローバル社は資金繰りに行き詰まり、倒産。米エックスコア・エアロスペース社のスペースシップは高度60キロまでしか上昇できないため(価格は95000ドル)、本格的宇宙
旅行とは言いにくい面があります。」(浅川さん)  



 このほか、米テキサス州を拠点とするアルマジロ・エアロスペース社、Amazon.comジェフ・ベゾスCEOが設立したブルー・オリジン社も弾道飛行を目指していますが、まだ具体化していないようです。





 世界初、民間宇宙
旅行専用の空港がついに完成




 露有人宇宙
ソユーズの打ち上げ 今年10月22日、約200億円を投じてニューメキシコ州南部で建設中だった世界初の宇宙
旅行専用空港「スペースポートアメリカ」で、関係者や世界中のマスコミを集めて、滑走路の除幕式が開催されました。滑走路は3000メートルの長さがあり、あらゆる航空機の離発着が可能。しかし、ヴァージン・ギャラクティック社を中心とした宇宙
旅行専用に利用されることが、一般の空港との大きな違いです。



 「スペースポートアメリカは世界初の民間の宇宙
旅行専用の空港で、来年初頭にはターミナルビルも完成し、グランドオープンを迎えます。現在、弾道飛行のビジネスが最も進んでいるのは米国ですが、スウェーデンとオーストラリアなども、開発はしていないものの、自国から宇宙
旅行に飛び立てるようになりたいと目指しているといわれています。今後、このような宇宙
旅行専用空港が、他の国にもできる可能性はあります。」(浅川さん)  



 浅川さんによると、ヴァージン・ギャラクティック社が販売する弾道飛行の最初の100人、「ファウンダー(Founder)」に当選したのは100人。現在、世界で合計370人が予約しています。日本人で予約したのは12人(そのうちファウンダーは3人)で、半数は会社経営者で男女の割合は半々、平均年齢は約60歳です。  



 運航開始へと着実に近づいている、ヴァージン・ギャラクティック社の宇宙
旅行。数十億円かけて行く軌道飛行はまだまだ一部の富豪のためだけの宇宙
旅行ですが、弾道飛行は一般の富裕層にも手が届く価格(約20万ドル)で、2012年までには現実化する見込みです。あなたも数年後の旅行先の候補の1つに、宇宙
旅行を加えてみては?



 by YUCASEE MEDIA(ゆかしメディア)



区切り



 宇宙
旅行が可能な時代はもうとっくに来ていたんですね。旅行代金も数十億から数千万円と一般の人からすると非現実的かもしれませんが、日本人もすでに12人もの人が弾道飛行の予約を入れているというのには驚きですね。



 (開運
編集部 F)    タイトル 宇宙




開運
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